受賞作品
prize
an-don
宮本 要子
社会人
〔八木 奈央 氏コメント〕
宮本さんのan-donはレザーの柔らかさをうまく活かしており、デザインはシンプルながらも動きの面白さがある作品です。シンプルでモダンなデザインに対して、日本の行燈をイメージしたan-donという名前をつけているのもバランスが取れていて良いと思います。いろんなバリエーションに発展できる、良いデザインコンセプトです。シンプルだからこそ、実際に制作されていく過程で細部にどれだけこだわれるかが完成度を左右するので、その辺りもデザイン画の段階で表現できるとより良いアピールになると感じました。
パスタシューズ
竹内 なつみ
学生
〔鴨志田 康人 氏コメント〕
パスタでブーツを形作るという発想そのものを評価しました。実際に作れるのか微妙ですが、もしこれが製品化されたら相当目を惹くでしょう。竹内さん、メーカーさんに可能性があるか相談してみたら?デザインはそこから始まるのです。
MOSAIC CAP
三浦 和俊
社会人
〔南馬越 一義 氏コメント〕
ピクセルのレトロなデジタル感とプライバシーを守るモザイクをモチーフに使うというキャッチーさは、AIでは作り出せないユーモアセンスだと思うし、これが今求められるクリエーションだと感じた。
SHOGO
社会人
〔巖谷 緑介 氏コメント〕
ゲスト審査員の総評
■勝井北斗
ミントデザインズ デザイナー
今年のコンペティションは生成AIを使用したデザイン画作品が多く、審査をする際今まで以上に評価が難航しました。今後はコンセプト、メッセージ、デザイナーの想いや作品背景にあるストーリーなどをいかにデザインに反映出来ていたか、感じとれたかが評価規準として重要な気がしました。表層的なデザインだけでなく、中身を感じるデザインにも期待したいと思います。
■八木奈央
ミントデザインズ デザイナー
今回はAIを使ったデザインも見受けられ、どのような視点で評価すべきか悩みました。結果としては、デザイナー本人ならではの観点や遊び心、そして何を目的としてそのデザインに行き着いたのか、などオリジナルのデザインストーリーが見えるものを重視させて頂きました。形の美しさはもちろんの事、やはり新しい観点にハッとさせられますし、楽しんでデザインしているかどうかは作品に現れると信じています。
■鴨志田康人
株式会社オフィスカモシタ 代表取締役/株式会社ユナイテッドアローズ クリエイティブアドヴァイザー
生成AI を使用したリアリティある作品が増えましたが、デザインの独創性や創造性が審査基準になる点は変わりません。受賞された作品は、ユニークなもの、美しいもの、ホッコリするものなど、エモーショナルな作品が選ばれました。ファッションの力で世界が少しでもハッピーになるようなクリエイションを目指して欲しいと思います。
■南馬越一義
江戸川大学経営社会学科教授/株式会社ビームス ディレクターズバンク ディレクター
今回は、このザッカデザイン画コンペティションの岐路に立つ回になったと思います。AIによるデザイン画の応募が飛躍的に伸び、正直、これをデザイン画と呼ぶか、審査員一同が戸惑いました。これからの世の中、どんな産業においてもAIの活用は必須ながらも、このAIによるデザインの応募をデザイン画とみなして良いのか悩みます。デザインとして面白いものも多くあるので、来期はコンセプトやプロンプトなど、デザインの背景にあるものも審査の基準として判断したいと思います。
■巌谷緑介
株式会社松屋 銀座本店
今年は例年に増して画像生成ソフトを用いた作品が多く寄せられ、選考が非常に悩ましいものとなりました。松屋銀座賞では「商品化した際にお客様に受け入れられるか、銀座の店舗に相応しいか」を基準に作品を選出しました。画像生成ソフトの是非は時代とともに変わりますが、応募作品には独自の視点や詩情を感じさせる印象的な作例も多く見受けられました。人間のセンスを信じ、皆様のさらなる創作活動を期待しております。