REPORT

夏を小粋に演出する したまち小粋マーケット

2023年6月22日〜25日の4日間。JR上野駅 中央改札外 グランドコンコースにて、したまち小粋マーケットを開催しました。夏を前にどこかワクワクとした気分が高まるこの季節–。台東区周辺のファッションザッカのメーカーが結集し、大勢のお客様で盛り上がったイベントの模様をご紹介いたします。

テーマは「旅先は未定。」

今回のテーマは「旅先は未定。」。そう、「旅」がテーマです。

行き先ははっきりと決めていなくても、「夏になったらどこかに旅行に行きたい」。そう考えている方は多いはず。そこで、したまち小粋マーケットではこの季節にふさわしく、駅を行き交う人々の旅への好奇心をかきたてるファッションザッカを集めました。

参加したのは台東区周辺のファッションザッカのメーカー11社と、東京TASK(ものづくり企業が数多く集まっている台東区や荒川区、葛飾区の3区で推進している広域連携事業)の4社。バッグや帽子、靴、革財布やポーチなど、見ているだけで旅に行きたくなるアイテムが勢ぞろいしました。

場所はJR上野駅 中央改札外 グランドコンコース。老若男女を問わず、大勢の人が行き交う場所です。ファミリー、カップル、旅行客。そしてインバウンドの外国人など、さまざまな方々がイベント会場に目を留め、商品を手に取り、楽しそうに販売スタッフと会話を交わす光景が繰り広げられました。

旅がテーマのラインナップに通行客が大注目!

さて、今回のイベントに参加した各社と期間中の模様を簡単にご紹介しましょう。

革財布の山藤

最初にクローズアップするのは、素材の美しさや丹念な仕上げで定評のある「革財布の山藤」です。屋号を大きく記した木製の専用什器に上品かつ機能性に富んだ財布や革小物をラインナップしたブースは下町情緒たっぷり。お客様とスタッフとの会話が弾んでいました。

三和袋物

次にご紹介するのは「三和袋物」。ブースには、鹿や馬の革、柿渋で染めた革など、完成度の高い個性的なアイテムがずらり。中でも注目度が高かったのが藍染めをした革でつくった財布や革小物です。「これはどうして染めているの?」と興味を持ち、スタッフに尋ねているお客様が数多く見受けられました。

革財布のお店 mic

たくさんの女性のお客様が訪れていたのがラモーダヨシダのブランド「革財布のお店mic」です。スタッフの方によれば、「今回はファッションウォレットが人気ですね。肩がけしたり、首から下げられるスマホケース兼ウォレットに興味を持たれる女性が多いです」。できるだけ両手をあけて気軽に旅を楽しみたいというニーズをmicの製品がとらえていることを実感しました。

KUTSUNE

旅の道中には足に合った靴が欠かせません。軽やかに歩けるオシャレな靴をラインナップしていたのが、東京靴研のブランド、「KUTSUNE」です。ブースに並ぶ靴は「見た目はしっかり、履いたらふんわり、結局いつも履いてしまう靴」のコンセプトそのまま。試着し、履き心地の良さを体感しているお客様の姿が印象的でした。

アンデルセンバッグ

アトル/マインドシフト

日本の職人の丁寧な技術と北欧のロングライフデザインのフィロソフィーをミックスした「アンデルセンバッグ」、人と人とのつながりをテーマにした「アトル/マインドシフト」の2つのブランドで、「旅」をテーマにしたアイテムをラインアップしていたのが筒井です。優しい色合いの「アンデルセンバッグ」、大胆なストライプ柄のトートバッグが印象的な「アトル/マインドシフト」はそれぞれの個性でお客様を惹きつけていました。

viaggi

「旅」を意味するイタリア語をブランド名に冠しているのが、グローアンドグローが展開する「viaggi」です。ブランドのシグネチャーアイテムである大胆なストライプ柄のトートバッグは大人気。「午前中に商品を見た方がわざわざ夕方に売り場に戻り購入してくださったり、インスタを見て足を運ばれるお客様も多かったです」とスタッフの方。売り場には旅の高揚感が満ちていました。

U-DOT

次は、VerbCreationの靴ブランド「U-DOT」を紹介しましょう。一枚革によるオリジナルシューズを手掛けている「U-DOT」では、季節柄、素足で履けるサンダルやツーピーススリッポン、3型から選べるローファーが大人気。カスタムオーダーで自分だけの1足を手に入れたいというお客様が多数来店されていました。

コカゲル

今回のイベントには、夏の旅の必需品である帽子のブランドも参加しています。まずは、東光が展開する2つのブランド、「コカゲル」と「ATRENA」です。体感マイナス10℃の機能的な帽子「コカゲル」には多くのお客様が興味津々。高感度な帽子ブランド「ATRENA」を試着して鏡に見入るお客様の姿も目を引きました。

SIGN

もうひとつ、今回のイベントに参加した帽子ブランドが、キャナルの「SIGN」です。オーガニックコットンなど環境負荷の少ない素材を使ったナチュラルな帽子は見るからに涼しげ。優しい色合い、手触りの良さに目をとめ、試着するお客様がたくさん!会期中後半は好天気だったこともあり、帽子の売り場はどこも大盛況でした。

MUZICA VITTA

目に飛び込んでくるカラーリング、個性的なフォルムで多くの女性客に利用されていたのが、石井が展開する「MUZICA VITA」です。スタッフの方によれば「イベントのテーマに合わせて、スーツケースに入れやすいアイテムを中心に揃えました。2つ折の財布やサブバッツとして使えるエナメルのバッグが人気でしたよ」。「MUZICA VITA」の魅力がブースでいかんなく発揮されていました。

te saho

新ブランド「te saho(テサホー)」で参加したのが皮革の卸問屋である久保柳商店です。持ち前のノウハウに、染色、漆塗り、和紙など日本各地の職人による伝統的な手わざを掛け合わせて作るオリジナルレザーブランド「te saho」では男性客の姿が目立ちました。「外国人のお客様には藍染のカードケースが日本的だと称賛されました。ギフト需要も多かったですね」(スタッフ)。

マツヤ服飾刺繍

東京TASKとして参加したのは4社。まずは、「マツヤ服飾刺繍」を紹介しましょう。同社が手掛けているのは、木の温もりと刺繍の繊細で糸の光沢を生かした「木刺」。木に刺繍をするという発想を形にした高度な技術には男性客を始め、たくさんのお客様が注目していました。その場でオリジナルの「木札」をオーダーされる方も多数いらっしゃったようです。

徳岡さんの手作り石けん

今回のイベントでは異色の商品ともいえる「石けん」で参加したのが、徳岡商会の「徳岡さんの手作り石けん」です。自社製牛脂を使い、昔ながらの釜炊き法で4日間かけて炊き上げる独自製法をわかりやすく説明するスタッフとその話に聞き入るお客様。商品のストーリーの重要性をひしひしと感じたブースでした。

有限会社長沢ベルト工業

6月22日23日の2日間参加したのが、有限会社長沢ベルト工業です。立体感や美しいステッチワークに加えて、8センチ伸びるという機能性を備えたレザー本革ベルトには男性客が大注目!その場で試して購入に至るケースが多かっただけでなく、すでに持っているというリピーターの方も来店されていました。ファンが多いブランドなんですね。

アトリエおおかわ

「有限会社長沢ベルト工業」に代わって、24日25日には「アトリエおおかわ」がイベントに参加しました。ブースに並んだのは、版画家・大野隆司さんの作品や作家うぐいすあんさんの新作絵本、そして東京TASKものづくりアワード2022優秀賞を受賞した「あけてケロン」などのシリコーンゴム製品です。楽しい絵本や版画、便利なアイテムは多くのお客様の目を釘付けにしていました。

終日、多くの通行客が行き交う地の利の良さも相まって、各ブランドの個性や魅力、テーマに沿ったラインナップは多くのお客様の旅心をくすぐったのではないでしょうか。お越しいただいたお客様、各ブランドや関係者の皆様には心よりお礼を申し上げます。

次回の販売イベントもぜひ楽しみにしてくださいね。