第29回ザッカデザイン画コンペティション

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ゲスト審査員
台東ザッカ画コンペティション審査員のご紹介と貴重なインタビュー

青木明子

青木明子

AKIKOAOKI デザイナー
女子美術大学芸術学部ファッション造形学科卒業後、ロンドンのセントラル・セントマーチン学術大学へ留学。2014年、ウィメンズアパレルブランド“AKIKOAOKI”を立ち上げる。

【総評】

靴、鞄、帽子、小物といったそれぞれのアイテムが、私たちにとってどういった役割で存在しているのか、そして今という時代観の中で、そのアイテムをどう更新することが次世代の新鮮さにつながるのかを考えながら、制作してください。
見たことのないわくわくするようなものを楽しみにしています。

浅尾浩代

浅尾浩代

(株)松屋 銀座本店バイヤー
2004年株式会社松屋入社。婦人服売場に配属後、紳士特選、紳士鞄、紳士カジュアル売場の販売を経て現職。

【総評】

今回は日本以外からの作品も多かったとのことで、より作風の幅が広がったと感じました。選ぶのが楽しく、また難しくもありました。
デザイン画の上手な作品にどうしても目が行きがちにはなりますが、分かりやすく伝わりやすいという点で結果的にその作品が選ばれた印象です。
中でも松屋銀座賞に関しては「実用性があるか」「お客様が欲しいと思うかどうか」に重点を置いて選び、商品化が非常に楽しみな作品と出会えました。

勝井北斗・八木奈央

勝井北斗・八木奈央

mintdesigns デザイナー
共に2000年セントラル・セント・マーチンズ・カレッジオブアート&デザイン(英国)卒業。2001年mintdesignsを設立。2003年春夏シーズンより東京コレクションに参加。日常生活の時間を豊かにするデザインをコンセプトとし、「流行」と同義でない「ファッション」の可能性を提案。

【総評】

今回、初めて審査に加わらせていただきましたが、正直デザイン画のみでの審査は大変難しいものでした。というのも、かならずしも「絵が上手い」=「良いデザイン」とは限らないからです。ですから、私は審査のポイントとして、デザインを見る相手(職人やクライアント)を思って描かれたデザイン画かどうかを判断基準としました。そうしたデザインはプロダクトになった際に使用する側にとっても良いプロダクトになる気がします。また、独創性や創造性、ユニークさがあるかなども考慮し今回の審査をさせていただきました。

最終的には各部門から1点ずつに絞られましたが、本来なら実物で見てみたい作品がかなりありました。できることならそれら現物を見ながら審査をしたかったです。
同じデザインを仕事とする人間として、いろいろと今回は刺激を受けたコンテストでした。ありがとうございました。(勝井氏)

このコンテストはデザイナーだけでなく製造側や販売側など、審査の視点が多様であり、製造者の意見が多分に審査に反映されている点で大変ユニークなコンテストだと感じました。それ故、コンテストにおいて必要なのはデザイン画の上手さやアイディアだけでなく、絵やコメントなどで「人に伝える力」が不可欠になります。

今回のコンテストでは海外の方に顕著でしたが、デザイン画をCADなどで描く方が増えており、部分説明のために補足の絵や説明が細かくされていた方の評価が高い傾向にありました。それは作る人達へ伝えるためのデザイン画になっているということです。その作品にオリジナリティがあればあるほど、細部まで伝える努力が大切になります。

受賞者の方はこれから制作に入りますが、同じデザイン画でも伝え方によって素晴らしいものができたり、凡庸なものができてきたり、伝え方でその差は大きく出ます。デザイン画だけでなくコミュニケーションを通してどれだけ人にデザインのポイントや自分の思いを伝えられるか、それが最後の制作物に現れてきますので最後まで楽しみにしています。(八木氏)

鴨志田康人

鴨志田康人

(株)オフィスカモシタ 代表取締役
(株)ユナイテッドアローズ 第一事業本部クリエイティブアドバイザー
株式会社ビームスに入社後、1989年に退社し、ユナイテッドアローズの創業に参画。2007年には自身のブランド「Camoshita」を創設し、顧客に感動を与えるような素晴らしいクリエイションを探求し続けている。
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【総評】

今年の応募作品は例年に比べて海外からの応募者が激増したこともあって、作風のバリエーションが広がり受賞作の選考に悩みました。
多くの応募作品に目を通していると時代を反映した作風も多く見受けられ、ライフスタイルの変わりように気付かされます。それは選考する際の重要なポイントでした。
また、革製品の特性を生かしたデザインであるかどうかも選考する上の基準にしました。
そして最後に、伝えたいことがデザイン画を通して明確に表現されているか?
受賞作品はこれらの観点で評価しました。

南馬越一義

南馬越一義

(株)ビームス 執行役員 ビームス創造研究所(HALS)所長 シニアクリエイティブディレクター
1985年ビームス入社、2004年レディース統括部長、2010年3月より現職として活動。
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【総評】

今回は外国からの応募が飛躍的に増え、国内の応募者との視点や感覚の違ったデザインも多く、新鮮でとても面白く感じました。
応募作品数も3,281作品ととても多く選びがいのある審査でした。議論が紛糾するような良い意味での問題作もあり、29回続く歴史あるこのザッカデザイン画コンペティションも新しいフェーズに入ったと思います。今回の応募作品のいくつかは台東区のモノづくりの未来を占うような作品になっていたと思います。